東京 新宿区 飯田橋・神楽坂でシステム開発を行っている株式会社バーネットの公式コラムです。

第一回:近年における「需要予測」の役立て方

「需要予測」とは、「何が」「いくつ」「何個」売れるのか予測することです。
過剰在庫を防ぐためにも有効な業務ではありますが、「需要予測」を実際に活用できている中小企業は多くはありません。
今回より全五回にわたり、この「需要予測」についてご説明していきます。


需要予測とは
需要予測とは、自社の提供するプロダクトやサービスの短期的あるいは長期的な需要を予測するものです。
仕入れ、生産、販売、人員配置、設備投資、資金調達などの計画策定を大きく左右し、企業活動の根幹に関わる極めて重要な業務となっています。

例えば、需要予測を行うことにより、販売の機会損失を防ぎ、売上の減少を回避することができます。
また、需要予測が正確であれば、企業は効率的に生産し、在庫を最適化し、製品を正しい数量とタイミングで市場に投入することができます。


需要予測の活用例
業界ごとに、どのようなシーンで需要予測を活用するのか、その一例も交えてご紹介します。


小売業
スーパーマーケットや百貨店は、需要予測を使用して、販売に必要な商品の数量や種類を決定します。
その際、必要に応じて需要予測を用いて財務計画を立て、追加の資金調達を計画をしたり資金調達の必要性を減らすこともできます。
例えば、夏は気温が上がるため、ビールやアイスクリームなどの需要が増加するため、それに合わせて発注を調整します。


自動車業界
自動車メーカーは、需要予測を使用して、将来の需要に合わせて生産ラインを調整します。
これにより、製品が市場に投入される前に、需要を満たすための適切な在庫が確保されます。
例えば、中国市場では日本でいうお正月にあたる春節前後(1月から2月)に需要が高まるので、それに合わせて生産計画を立てます。


製造業
製造業は、需要予測を使用して、製品の材料調達や生産計画を最適化します。
これにより、適切な材料が必要な時に入手でき、生産がスムーズに進行します。
例えば、エアコンメーカーは夏に需要が高まる地域や機能を予測し、それに合わせて生産計画を立てます。


サービス業
サービス業は、需要予測を使用して、需要が高まる時間帯や期間を特定し、スタッフのシフトや在庫管理を調整します。
例えば、ホテル業界では、休日やイベントシーズンには需要が増加するため、それに合わせてスタッフを調整します。


運送業
運送業では、需要予測を使用して、配送ルートや運送手段などの最適化を行います。
これにより、需要が高い地域にはより多くのリソースを割り当てることができます。
例えば、地域ごとに特定の曜日や時間帯に需要が集中することがあるので、需要が高まる時間帯に派遣社員を増員します。


倉庫業
倉庫業では、需要予測を活用することで、在庫管理の最適化、ピッキングプロセスの最適化、倉庫レイアウトの最適化、そして倉庫スタッフのスケジュールの最適化など、様々な業務の最適化が可能になります。
例えば、よくオーダーされる商品を梱包するエリアのそばのロケーションに置いておくことで、ピッキング時の作業効率を高めることができます。


まとめ
今回は、「需要予測とはなにか?」「どのような業界でどのように活用されているのか?」を書かせていただきました。
需要予測とひとくくりにしても、活用方法は様々で、どの業界においても必要な業務となっていることが分かります。
次回は、「需要予測ってどうやって実現するの?」という点に焦点を当ててお送りします。


著:大阪営業所所長 松尾